その419
やがて、ヌルハチの裔は…黄に蒼の龍を配した旗の元、
東の世界を統べた…
エホナラの娘と共に…
これっ!
子孫よ!
その娘はいかん!
エホナラはいかん!
なぜならエホナラには、
われらアイチンギョロに対する
呪いがっ!!!
…元はと言えば
ワシのせいだけど…
"Safari Good Luck Mini 341922 Mini Chinese Dragon"
そう、エホナラの娘とは、
かの悪名高き、
西太后!
西洋列強が進出し、
切り取られ始めた東の帝国。
世界において、
旧き帝国が
新しき帝国に
取って代わられ始めた時代…。
その娘は帝国に君臨し、
やがて、、、
帝国を滅ぼした!?
やーねー
濡れ衣よっ
わらわはそんな
おばかさんじゃなかったワ
ネっ、ドラゴンちゃん。
…。
ワシ、知りません…。
エホナラの呪いとは?
太陽を意味するナラ氏族のうち、イヘェ河流域を支配した一族の名。
しかし、日の出の勢いのヌルハチが女真族を統合してゆく流れの中、イェヘ=ナラ氏もやがて、その勢力に取り込まれていきます。
時は西暦1619年。ヌルハチの後金軍が明と朝鮮の連合軍を破ったいわゆるサルフの戦いで明・朝鮮側についたイェヘ=ナラ氏は、愛新覚羅氏の軍門に降る結果となります。
しかし、イェヘ=ナラ氏はこれで滅亡したわけではなく、新生満州族の名族として代々の皇帝の后を輩出するなど、清朝の時代を通じて有力な氏族であり続けました。
実際、ヌルハチ自身についても、後継者となったホンタイジは、イェヘ=ナラ氏の娘の子です。(ただしこの妻はサルフの戦い以前にめとっています。)
つまり…
いわゆる「葉赫那拉の呪い」とは、イェヘ=ナラ氏の中では比較的身分の低い立場から、母后として権力をふるい、やがて国を傾けるに至った西太后が登場して以降の、俗説というか民話というか、まあマユツバなウワサ、なわけでした。
そうよ、まったく濡れ衣だわっ!
(以上、5月にアップしそこねていましてそのまま6月演目に取り掛かってましたが、あえて、5月日付で公開します。愛新覚羅と葉赫那拉と、碧き龍の物語でした。)