2014年8月31日日曜日

その228 

Once Upon A Time...

there lived a woman on a small planet.

それは遥かな太古のこと。

「ああ、かぐや。レディー・ジョウガ。君の刑期が終えるまでただじっと待つなんて僕にはできない。禁忌だけど、この5つのアイテムを君に送るよ。」





「まずこれ。

何はともあれ、船がなければ戻ってこれないからね。アングリードラゴン社製の信頼度バツグンの飛宙艇。しかもなんと深海にも対応した、海空両用機。その名も『ドラゴン・ネックレス』!」

なんでも、龍のような長大な母艦から飛び出して複数機で編隊飛行をするさまから、ドラゴンのネックレスと名付けられたとか。

「4478 海底探検ポッド」


いわゆる、「龍の頸の珠」



「そしてこれ。いますぐにも君の声を聴きたいし、僕がいまどこにいるかも伝えたい。セレスティアルGPSを搭載した高性能通信機、アイランド・ネットワークス社の最新型、『アイランド・ティンバー』さ。」

ちょっと懐かしいレトロな感じのアンテナが、ティンバーの名の由来。

「3184 恐竜の化石発掘」より。


いわゆる、「蓬莱の玉の枝」



「これも忘れちゃいけないね。いつなんどき、船外活動が必要になるかわからないし、そもそも大気圏、成層圏を脱出するときの熱に君のからだが燃えないようにしないと。ニューアスベスト・テクノロジー社がひとつひとつ手作りで生産している、耐熱耐放射線スーツ『サラマンダー・コート』だよ。」

こちらも、ドラゴン・ネックレス同様、宇宙空間だけでなく深海にも対応した優れもの。

「4910 深海ダイバーと小型ボート」より。


いわゆる、「火鼠の皮衣」




「次にこれ。悟りを開いたかつての聖者の脳をゴーストダビングして作られた、∞ bitの量子コンピューター「ブッダ・ボウル ∞」。
大容量記憶装置には、君のいまいる星の歴史もすべて刻まれてるから、不測の事態にも対応できるよ。」

「3184 恐竜の化石発掘」より。


いわゆる、「仏の御石の鉢」



「…そして、、、

最後はこれ!

キミがそのミニクイ下界人の姿を捨てて、早くもとのように美しくも冷たい濡れて透き通った碧い肌の月世界人の姿に戻れるよう、キミのお気に入りだったコスメブランドを一式揃えたよ。貝殻モチーフが人気の、海燕堂化粧品のヒットシリーズ『スワロウ・シェルニーク』!」

貝殻を砕いたパウダーをはじめ、月世界のガールズに大人気らしい。

いわゆる、「燕の子安貝」




「さあ、5つのアイテムよ、かぐやの元に届け!!」



…むかーし、あったとさ。