その124
「勝手に名乗ってんじゃねーよ!」と言っているのは北半球代表、同じくやかましい方。
「Scheleich 14646 クズリ」
英名wolverine、和名クズリ、漢字では音訳で屈狸、意訳では貂熊と書きます。何やらデビル君にご立腹。
そう、先週登場したタスマニアデビルは、和名でフクロアナグマとかフクロクズリとか言われているのです。確かに、強靭な顎、獰猛な性格、そしてグルグルグルとやかましい習性はよく似ています。ウルヴァリン、学名でGulo guloと呼ばれているのはこの鳴き声からでしょうか?
Wolverineはご想像通りWolfから。
A wolverine meets a moose.
「Scheleich 14619 ヘラジカ」
現存最大のシカであるヘラジカ。こんな巨大な獣にも襲い掛かることもあると言われるクズリ。最もキケンなイタチです。たぶん。
ムースとウルヴァリンの生息域は重なっており、 カナダ、アメリカ北部、シベリア、スカンディナビアなどに棲息。ちなみに和名のクズリは沿海州から樺太にかけて居住していた民族、ニヴフ族の言葉から来ているそうです。こいつはgeneも初めて知りました。
中国古文献に登場する麋鹿(サワシカ)をこのムースのことだとする説もありますが-geneもそう思ってました-、最近ではこれはシフゾウのことだという説が有力だとか。ほお。生息域がずいぶん違うので、漢詩や史書の分析結果、判明したのでしょうか。
「いまそっちの話じゃねーだろ!おれだろ、おれ!クズリの回じゃなかったのかよ!グログロ!」
行動半径が非常に広く、オスのなわばりは620平方キロにもおよぶとか!一日の行動距離も45キロ、タフです。タフすぎます。
しかしそのせいで、なかなかいいお相手に出会えないのが悩みの種。きょうも出会ったのはムースだけ。
「うるせーって!グログロ!」
仕方なく花を観て癒される獣。
「だから見てんじゃねーよ。照れるだろうが。コワモテで通ってんだからよ。」
ムースについては以前の演目、昨年の春に制作した「グランド=ティトン国立公園」劇で解説しました。その時のムースはプレモです。 よかったらそちらもご覧ください。
当時はgeneはムース=麋鹿説で書いていますが、これはiOSアプリの"くらしの暦(アプリ名 暦)"で読んだ七十二候の解説が元ネタでした。このアプリ、かなりオススメです。
playmobil, Sheleich, Collecta, Safariなどそれぞれから登場している人気者ムース。
特徴的なツノや喉の部分のにくだれなど、ひとめでムースとわかるわけですが、それでも各社少しずつ表現が違っていて興味深いです。
対してクズリはなかなか見つけることができないでいましたが、あったんですねえ。
「ヒトをキラワレものみたく言うなっつの。」
いえいえ、geneは昔から、クズリが大好きです。アメリカにいたときにもナショジオやディスカバリーのクズリ番組はかかさず観ていました。
なぜ好きか。それは長距離をものともせず移動し続けるところとぐろぐろとやかましいところ、そして大食漢なのにチビなところ、デカいものに突っかかってしまうところなど、geneととても似ていると感じるからです(笑)
エサとお相手のためなら何キロでも歩くよ、geneも。
「ふん、おめーなんかと似てねえよ。」
ただ、ムースは野生の姿に出遭えましたが、さすがにウルヴァリンには出遭えませんでした。ザンネン。
まあ、山歩き中に出遭ったらさすがにビビりますが。
「だろ?そうだろ?そらそうよ。なんつって、熊まがいだからよ、おれは。」
「なあー!」
「くっちゃうぜ!」
(いや、でも、地上同士だとこのデカブツはムリだけどよ、さすがに。普段は樹の上からどさっと行くぜ、どさっと。まあ、めっちゃハラ減ってる時だけだけどな。ま、とりあえず威嚇だけしとくか、威嚇だけ。)
グログログログログログログロ! グロー!!(DIOでもJOJOでもないぞ) |