その125
さて、ここらでプレモに復帰します。新大陸つながり。「4742 コンキスタドール(special)」
16世紀、現在の南北アメリカ大陸で、インカ、アステカの両帝国を征服して現在のラテン・アメリカの礎を築いた人たち。コルテスとかピサロとかが著名人。このプレモはピサロの肖像や彫像に似せているようです。
うーん、さすがGeobra、さすがplaymobil。ムツカシイテーマをずばんとストレートに出してきます^_^;
馬はカスタム。さてこちら、ルシターノ馬でしょうか?アンダルシア馬でしょうか?
歴史の解釈、歴史の評価はいずれも後世の人々に託されたもの。
ある時代には功績が高く評価された者が、時代と共に価値観や歴史観が変わればさまざまな批判や悪評を受けることも。
そしてまた時代と共に、再評価されることも。
彼ら征服者たち-コンキスタドーレス-もまた同じ。
同時代には、王家のために新たな領土を増やし、太陽の沈まぬ国を創り上げた英雄であり、教会と修道会と共に危険を顧みず信者と寄付金を殖やした殉教者。
しかし民族自決の価値観の時代には、先住民の文化や伝統と生命を踏みにじった、文字通り"征服者"として。
そしてまた、大陸が新たな時代を迎え、先住民の血と文化と、征服者の教えと文明とが、交じり合って新たなラテン文明を拓いたという解釈も登場。
その象徴ともいえるのが、コルテスの通訳とも愛妾とも言われる先住民の娘、マリンチェではないでしょうか。
かつては裏切り者として悪評の高かった彼女。現代では、二つの文明、二つの文化、二つの血統の架け橋となった女性という捉え方も出ているそうです。
いま風に考えれば、貪欲な外資系企業の社長秘書となった現地の女性。あるいは、先進的な考えと進取の気風を持ったキャリア型だったかもしれません。でもあるいは、結局どっちの大陸でも同じだったオトコ社会に翻弄された部分もあるかも。こうした評価じたい、後世の価値観でしか見えることができないために、客観的、同時代的、そして何より普遍的な捉え方は難しいものです。いろんな立場にたって、いろんな形で、多様なマリンチェ像を考えてみるその試みにのみ、意味があると思います。
いえ、そもそもこのような考え方じたい、geneの属するいくつかの狭い世界の考え方にとらわれているのかも知れません。そうならないためにも、多くの世界の多くの人々と話をしてみたいものです。
ところでそういえば、プレモには南米大陸の先住民はいませんね。
北米の先住民は定番。しかし南米や豪州はいません。
かつて、南米アーヘンティーナの玩具会社Antexや幾つかのブラジルメーカーがプレモのライセンス生産をしていたそうですが、あくまで本国ドイツの商品の正規再生産。
某ハンガリーのメーカーのように、現地のカスタム商品^_^;というかパチモンを造ることはなかったようです。民族の歴史にかかわりの深いオーストリアやトルコの戦士を造ったそうなSchenk社。気持ちはわかります。geneもアジアカスタム好きですから。
これからブラジルブームや南米の"成長"にともなって、先住民も造ってくれるとうれしいですね。