2014年7月5日土曜日

その187 

「お!あれか!こんどこそ、ロックか!?」

「おい、ロック。いやもうロックじゃなくってもいい!おれを乗せていってくれ。船が沈んでこの方、この広い広い海原を漂ってる。珍しい島、珍しい鳥、珍しい獣、みるべきものは…すべてみた!っと言って、平知盛じゃないからこのまま海の藻屑になるつもりもないッ。たのむっ!」

「初乗り、100ディルハムになりまーす。」

「ゆ、有料!?そこはむしろ友情だろ!?」






「あまいっ。あまいなあ。お兄さん、商人でしょ?ジゴクの沙汰も、大海原も大空も、なんとやらですよ。」

「うーむ。自慢だがオレ様はいま、すっからかんの無一文だ!なにせ漂流者だからな。」

「へー、そいつはおもしろい。じゃあ行き先未定、宛先不明ですか。そういうの好きですねえ。じゃあお近づきの印にってことで一回こっきりのサービスサービス。おもしろいものをみせてくれるなら、タダもありですよ。」

「よし、乗った!」

「…うまいこと掛けたって思ってるでしょ。」

「出発、進行~」

「スクランブル発進!アムロ、いきます!」

「こらこら」

「Burning through the sky~♪」

「ごキゲンですねえ。」

「ふかふか、気持ちいいからな。」

「ま、まあね(照)」

碧く澄み渡る
インド洋と大空をゆく~
「おや?あれはなんでしょう?」

「ん?どれどれ?何やら懐かしい感じの服装だな。」

「ホントに。その頭の布とおでこの飾りがそっくりですね。」

「うん、色違いだな。しかしありゃなんだ?まさか絨毯に乗ってるのか?こんな空の上で?」

「おもしろそうですね!降りてみますか?」

「おーい、白髭のおっさん。アッサラーム。」

「お!これは同郷人か?アッサラーム。っと、どこから声が?ややっ!!このどでかい鳥は、まさかルクか?ルクは飛べないと聞いた気もするがしかしこんなドデカイのはルクしかおるまい。若者よ、どこから来た、そしてどこへ行く?」

「おう、オレ様は故郷に戻るところだ。じいさん、それは空飛ぶ絨毯なのか?」

「…おぬし、近づいてきたらおっさんからじいさんに呼び換えるとは、、まるでわしの顔が老けてるようではないか。」

「(まさに老けてるだろ...オールドだし。絶版だし。)」

「まあよい。それより若者よ、これをみてくれんか。降りてきて、これを読んでみてくれんか?」

(つづく)